ポケムーバー解禁前の二か月程使用していた構築です。PTC大会3位の構築を改良したものであり、最高レートは2104(ただし勝率は6割ちょい)、出場した大会の結果は
ABCカップ(20名):4−0で予選抜け→2落ちからの3決負けで4位
九尾杯(193名スイスドロー):4−3で43位→予選落ち
でした。大会の結果があまりかんばしくなかったのが少し心残りです。
それでは解説に入っていきます。
ニョロトノ | 熱湯 | 瓦割り | 滅びの歌 | アンコール | 脱出ボタン | 図太い | 雨降らし |
オムスター | ハイドロポンプ | 波乗り | 冷凍ビーム | 原子の力 | 拘り眼鏡 | 臆病 | すいすい |
オンバーン | 流星群 | 暴風 | とんぼがえり | 火炎放射 | 命の珠 | 臆病 | お見通し |
ガブリアス | 逆鱗 | 地震 | ストーンエッジ | 剣の舞 | 気合の襷 | 陽気 | 鮫肌 |
ギルガルド | シャドーボール | 影うち | 聖なる剣 | キングシールド | 風船 | 冷静 | バトルスイッチ |
ガルーラ | すてみタックル | 地震 | 不意打ち | 大文字 | ガルーラナイト | 無邪気 | 肝っ玉→親子愛 |
今回は5世代で慣れ親しんだニョロトノ入り構築(いわゆる雨パ)を6世代でも使いたいと考え構築を組みました。レーティングにいるパーティを見ていて水の一貫がとりやすいものをちらほら見かけたというのも理由としてあります。
しかし雨エースを従来のようにキングドラのままにするのは環境を考えると辛いです。理由として
・ファイアローの存在
・竜の一貫の消滅(フェアリータイプの出現)
・メガ進化による種族値のインフレ
などのキングドラに対して向かい風な仕様の増加が挙げられます。これらのことを考えて、今回雨エースはキングドラ以外の別のポケモンにしようと考えました。
そこで今回新たな雨エースとしてオムスターに着目しました。
キングドラと比べたときオムスターには以下のようなメリットが挙げられます。
・キングドラと比べBとCの指数が高い
・岩タイプなのでファイアローのブレイブバードやガルーラのねこだましを半減できる
・雨パが環境にほとんどいないので雨ミラーのS意識(グドラより低速であること)をする必要がない
・「殻を破る」という強力な積み技の可能性を相手に示唆させることで安易な交代を防ぎ対面で勝ちやすくなる
(実際に殻を破る型でもいいのだが今回は眼鏡を選択した、理由は後述する)
もちろんキングドラと比べた時のデメリットもあります。電気草の一貫、竜に対して劣勢になりやすい点、などが主な点でしょうか、これらのことを考えて後ろを考えていかなければなりません。
では次に「脱出トノ」「眼鏡オムスター」を軸に置いたときの基本選出の3体目を考えます。これに求められる条件は
・とんぼがえり、ボルトチェンジ、またはステルスロックを使える(脱出雨は相手の襷アタッカーが重いため)
・草、格闘、地面等に耐性を持つ(これらはトノスターに一貫するから)
・竜に対して高い打点を持つ(トノスタ−が竜に対して打点が低いので)
などです。
これらの理由から、今回はこの枠にオンバーンを採用しました。
XY新ポケモンでありS123という圧倒的速さと「おみとおし」という良特性を持っています。さらにタイプ一致暴風を打てることからトノスターの苦手な草タイプ(主にフシギバナ)に強めであることも魅力です。
そして何よりも対ガブリアス性能がとても高いです、初手対面で襷ならとんぼがえり、スカーフならトノ引き、それ以外なら流星群と安定した行動をとることができます。
このように器用なポケモンですが代わりに圧倒的な火力不足が大きな欠点となっています、しかしそこを妥協してもこの枠はオンバーンだと考えました(ファイアローを採用していたこともあったが、対ガブリアス性能と水技の耐性、消耗の速さを考えて不採用になった)。
このようにこの3体を基本選出として確定、では次にトノスターオンバーン以外のメンツを考えていきます。
5世代から言われていることですが、雨パというのは選出誘導力が非常に高いので特定のポケモンを誘いやすいです。なので裏択にそれらをメタるポケモンを入れておけば相手の選出を縛り裏択で倒すことができます。このようにメタられていても選出時に大きな役割をはたせるというのが雨パの強みの一つであり、よって雨パの裏択というのはとても重要です。
まずトノスターに対して出てきやすいポケモンを考えたところ、以下の通りになりました(基準としては「特殊水技の一貫がとれないもの」「ある程度のKPがあるもの」とした)。
フシギバナ、水ロトム、ヤドラン、メガリザードンY、ギャラドス、ヌメルゴン、ナットレイ、マリルリ、ゲッコウガ、サザンドラ、ユキノオー、ラッキーetc..
(参考:11/23九尾杯KP結果)
これらを眺めていると比較的中速が多いこと、耐久型が多いことがわかります。その点を踏まえてこれらに強いポケモンを考えたところまずメガガルーラに行き着きました。
親子愛すてみで中速に高い打点を持ち、N単であることから弱点を疲れにくく高い対面性能を持つ。また特性を生かした役割破壊の特殊技で受けループにも強いポケモンです。今のところメガ枠が余ってることからガルーラの採用もすんなり決まりました。
次に考えていきたいのは現在の4体に一貫してしまう竜やF、格闘等に対して繰り出せるポケモンです。特に格闘が一貫してしまうとガルーラのグロウパンチで全抜きに入られるリスクがあるので、できれば無効タイプであるGを入れることが望まれます。
そこで次に採用されたのはギルガルドです。
竜やFを含む多くのタイプを半減できる鋼と格闘を無効にできるGを複合しており現在必要な要素を完全に満たしています。また特性によって理論上720族という圧倒的な数値の高さを誇っていることから多くの相手に対してゴリ押しすることが可能です。
そして何より特殊型にすることが可能なので水ロトム対面で鬼火で機能停止することがなく殴り合うことができます、水ロトムは選出されることが非常に多く対面することも少なくないのでこれらは十分な採用理由になります。
そして最後の枠は、この時点で完全に一貫する電気の遮断、ギルガで止まらない格闘であるバシャーモへの遂行、対雨パメタのポケモン(バナロトムヌメルゴンクレッフィその他受けループ系統)への崩しを考えてガブリアスを採用しました。
5世代のラティハッサムカイリューのように2体の高速AT+クッションの形がとても使いやすく、ガルーラギルガルドガブリアスという選出が圧倒的に強かったです。
では個別解説です。
1.ニョロトノ 脱出ボタン 図太い
熱湯 瓦割り 滅びの歌 アンコール
H175(76) B139(252) C111(4) D121(4) S112(172)
H16n-1調整
182ガブの鉢巻激逆鱗確定耐え
残りS
すいすいエースを生かす脱出トノ、天候の仕様変更から持ち物はほぼこれで決定。
次に技ですが、まず水技は物理環境であることから思考停止で熱湯を選択、波乗りやポンプの威力が低下したことからも問題ないでしょう。そしてライドバシャ等のバトン対策、小さくなるピクシーラッキー等の対策として滅びの歌、積み技の起点になることを防ぐアンコール、最後は環境にクレッフィ壁構築が急増していることから瓦割りを選択しました。壁クレッフィ+小さくなるピクシーの選出を頻繁にされるので、ガブニョロトノ@1でこれらを対処します。
またヌメルゴンバナロトムなどSラインが108〜110ほどのポケモンが多いのでそれらやそれらを少し抜いてるポケモン等を意識してSを限界まで上げました。耐久をだいぶ犠牲にしましたが特に困ったことはなく、それよりも上から安心してアンコールを打てることの方が利点が多かったです。
基本的にはとんぼがえりや交代から脱出展開する立ち回りをしますが、ゲンガー入りやギャラドス入りなど初手のガブガルーラギルガ等を起点に展開してくる相手に対しては初手トノをおいて展開されないようにすることも多いです。
2.オムスター 拘り眼鏡 臆病
ハイドロポンプ 波乗り 冷凍ビーム 原子の力
H145 B147(12) C167(252) D90 S116(244)
146ファイアローの鉢巻ブレイブバード確定2耐え(51〜60)
146ファイアローの珠ブレイブバード乱数3耐え(44〜52)
194メガガルーラの親子愛ねこだまし(22〜27)
194メガガルーラの親子愛不意打ち(60〜72)
227メガギャラドスの地震確定耐え
眼鏡雨ポンプで161-136トゲキッスを確定1
181-120メガガルーラを確定1
175-135サーナイトを高乱数1(172〜204)
眼鏡雨波乗りで183-105ガブリアスを最低乱数以外一発
171-150メガギャラドス確定3
眼鏡冷ビで197-170ヌメルゴン確定2
すいすい時準速スカーフガブリアス抜き
脱出トノと相性がいい眼鏡でうち逃げる型、最初は破る型を使用していたのですが破れるタイミングがほとんどなかったので上から叩いていく眼鏡型に変更しました。性格は何度もスカーフロトムやガブにわからされたので臆病、しかし臆病にするとHSキッスへのポンプが乱数になるのでここは選択だと思います。
技はそもそもレパートリーが少ないのでこれ以外ほとんどないです、ほかの選択肢は寝言毒毒搾り取るなどでしょうか。原子の力は使用頻度は少ないですが晴れ下でメガリザードンYへの打点になり、一回だけこれがあったおかげで勝てた試合がありました。
ちなみに臆病だと控えめグドラとC実値が6しか変わりませんが、どれくらい違うかというとHSトゲキッスへのハイドロポンプのダメージ量が
166〜196 (3/16で確定)
↓
172〜204 (6/16で確定)
と変化します。
3.オンバーン 命の珠 臆病
流星群 暴風 とんぼ返り 火炎放射
H161(4) A81 B100 C149(252) D100 S192(252)
CSぶっぱ
火力が足りないので珠を持たせてCに全振り、Sもゲッコウガを抜きたいことから全振りにして結果CS極振りになった。
対ガブリアス、ヌメルゴンでメインウェポンの流星群と、フシギバナ対策の暴風、そしてトノの脱出展開にスムーズにつなげるとんぼがえりは確定。ラストの枠は比較的自由枠ですがハッサムやルカリオの起点になりたくないことから火炎放射を選択しました。仮想敵のフシギバナを考えると寝言がぜひ欲しいところですが、寝言を採用していたときにそこまで使用頻度が高くなかったのと、採用しても不確定要素が多いことから今回は見送りとしました、他の候補としては、ばくおんぱ、寝言、エアスラッシュ、怒りの前歯、挑発、身代わりなどでしょうか。
正直火力も耐久も半端でとても弱かったです、選出率は圧倒的に低くこのポケモンを採用することに疑問を感じていますが、対ガブ、バナ等の性能を考えると穴埋めはこいつしか思いつかないのも事実です。
4.ギルガルド 風船 冷静
シャドーボール 聖なる剣 影打ち キングシールド
SF:H167(252) A71(4) B170 C112(252) D170 S58(最遅)
AF:H167(252) A171(4) B70 C222(252) D70 S58(最遅)
HCぶっぱ
メインウェポンに広範囲に等倍以上で通るシャドーボール、バンギやガルーラ、ルカリオへの打点として聖なる剣、先制技の影うち、そしてフォルムチェンジのためのキングシールドで技は確定。めざ氷やラスターカノンもあると便利ですがどれも削れません。
また道具は対面性能を上げる弱点保険や命の珠ではなく、繰り出し、クッションを役割としていることから後だしの安定性を高める風船を採用、これによってガルーラ、ガブリアス、ホルード等に対しての後だしが安定します。選出段階で地面技の通りのいい構築なので風船はとても刺さりました。
5.ガブリアス 気合の襷 陽気
逆鱗 地震 ストーンエッジ 剣の舞
H183 A182(252) B116(4) D105 S169(252)
ASぶっぱ
端数B
中速に対する抜き性能と高速高火力アタッカーへの対面性能を兼ね備えた襷剣舞ガブリアス、できれば珠やラムにしたいところだが襷でないとゲッコウガ、スカーフサザン、舞ったギャラドス等が止まらないので持ち物はこれで確定。
サブウェポンは命中安定の毒づきもいいですが、ゴツメサンダーやバルジーナへの遂行や風船ギルガルドと対面したときのことを考えてエッジを採用。
またASメガギャラドスが逆鱗+鮫肌+オムスター雨眼鏡波乗りで確定なのでオムスターギャラ対面で
①ガブ引き、相手舞→②逆鱗、相手氷の牙→③相手地震、死に出しオムスター
のフローで処理できます。
6.ガルーラ ガルーラナイト 無邪気
すてみタックル 地震 不意打ち 大文字
通常:H181(4) A147(252) B100 C60 D90 S156(252)
メガ:H181(4) A177(252) B120 C80 D108 S167(252)
ASぶっぱ
グロウパンチを採用した全抜き型でなく、仮想敵への削りの即効性を意識した型。
技はまずバナロトムマリルリヌメルゴン等に等倍で入るすてみタックル、恩返しと違い197-91ヌメルゴン程度は確定で倒せるのが魅力的。次にN技と補完がいい地震を採用、ギルガクチート等への打点となり、非接触技なのでゴツメやキングシールドの判定外であることからほぼ確定で採用したい。
次に雨の苦手な受けループを崩すことを意識して大文字を採用しました、エアームド以外にもナットハッサムやパンプジンへの打点になるほか特性から追加効果を19%の確率でひけるので不意に物理ポケモンを機能停止に追い込めることも少なくない。
そして最後の枠は、風船ガルドのシャドボ+影うちで削れたガブを倒すために不意打ちを採用しました。
また性格はやんちゃにしたくてしょうがなかったですがミラーやメガリザに可能性を残せる点から最速を確保。
個別解説は以上です。
●選出
ガルーラギルガガブ
オンバーントノスター
基本はこの2つです。
トノスター+ガブギルガガルーラ@1の選出や、壁系統に対してガブトノガルーラなどの選出もします。途中からオンバーントノスターよりガブトノスターの選出が増えた気がしました。
●雑感
レートの最初の方では全く雨選出ができずガルーラギルガガブ選出ばかりしてましたが、レートがあがるにつれ水の一貫がとりやすいパーティが増えて雨選出が刺さるようになっていった印象を受けました。
構築の弱点としては雨選出を抑制するポケモン(ミトムバナギャラマリルリ・・)+ゲンガーが一番きつく、次点でサザンガルド、カバラッキーなどがきつかったです。
また構築とは関係ないですが、XYはフレ戦も時間制限がついたことから選出のパターンをしっかり把握できていないと正解の選出をできずに負けることがありうるので、5世代以上に構築をしっかり理解していないといけないと感じました。
解説は以上です。
ムーバー解禁後の構築はまだ未定ですが、雨はやはり弱体化のせいか多少無理な立ち回りをしないといけない部分が多くそういう点で使いにくかったので、次は精神穏やかにポケモンをするために雨以外の構築を組みたいです()。
長くなりましたが読んでいただきありがとうございました、では今回はこの辺で・。・ノシ